住む所は・・・もちろん無い。実家は長野だし勘当状態(勘当の経緯はまた別の話)。帰れない。
知り合いはいない。
専門学校時代の関東の友達の連絡先は全部前に付き合っていたDV男に捨てられちゃったり燃やされていて分からない(これもまた別の話だね)。携帯に入っている番号は絶対に縁を切らなくちゃいけない人(犯罪の匂いのする人達って事)の番号だからあっても意味無い。
もちろんお金も無い(これもまた別の話)。
そんな時ふと浮かんだ一人の友達の顔。
今まで長い時間音信不通になっても、どんな事をしても必ず探し出して連絡をしてきてくれた唯一の友達。
番号覚えてるかな・・・。
電話ボックスに入り、なけなしの小銭を入れ番号を押す。番号を指がちゃんと覚えている。番号覚えてた・・・よかった・・・。
電話は当たり前の様に無事繋がり友達のお母さんが出て、「あっ、糸川ちゃん?ちょっと待ってね~。」と、当たり前の様に友達を呼びに行ってくれました。
ほんとの所は、様子がおかしいのは分かっていたけど、気付かないフリしてなんでもなく普通に接してしていてくれたんだろうなと思います。
本当のやさしさってこういうことなんだ。って心の底から思ったし、死んでも忘れないし、私の中にあるとても大切なものになっています。
友達のお母さんの言葉に、急に気が緩んで涙が出ました。
精神的なダメージなんて大した事無い。もっとしんどいこと今までに一杯あったからこれくらい何とも無い。
と思っていたけど、ほんとは違いました。涙が出るほどしんどかったんです。平気だって思うようにして何とか食いしばって立っていた。ってだけでした。
でも変なプライドがまだあってそんな自分を見せたくなかったのか、心配されたくなかったのか、散々な状態の自分の姿をリアルに自覚したのか、咄嗟に電話の向こうに気付かれない様にぐっと押し殺してこっそり泣きました。
ただ電話ボックスの中で食いしばって涙だけ流していました。
Part-4に続く